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効率的な注文入力の改善方法

AIの利用でできること
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朝、事務所に着いて最初にすることが「FAXの回収」という会社は、まだたくさんあります。夜のうちに届いた注文書を束にして、1枚ずつ基幹システムに打ち込む。電話で受けた注文はメモ用紙に走り書きして、後でまとめて入力する。

この作業、1件あたりは3分かもしれません。でも1日30件あれば90分です。月に換算すれば30時間を超えます。しかも打ち込んでいる人は、たいてい他の仕事も抱えています。

本記事では、FAX・電話・手書きメモで受けた注文の入力をどう減らすか、現実的な手順で整理します。いきなりAIの話はしません。順番を間違えると失敗するからです。

なぜ転記ミスはなくならないのか

「気をつける」「ダブルチェックする」で解決しようとして、うまくいかなかった経験はないでしょうか。原因は注意力ではなく、仕組みの側にあります。

1. 読み取れない文字がある

手書きのFAXは、送信を重ねるほど潰れます。「1」と「7」、「0」と「6」、「ㇱ」と「ツ」。長年の付き合いがある取引先なら「この字はいつもこう書く」と分かりますが、それは担当者の頭の中にしかありません。その人が休むと止まります。

2. 注文書のフォーマットが取引先ごとにバラバラ

品番の位置、数量の欄、納期の書き方。20社と取引していれば20通りです。人はそれを毎回目で探して読み替えています。この「探す時間」は作業時間として計上されませんが、確実に発生しています。

3. 入力する人が急かされている

電話が鳴り、来客があり、その合間に入力する。集中が切れた状態での転記は、どれだけ真面目な人でもミスが出ます。これは能力の問題ではありません。

つまり転記ミスは「人が悪い」のではなく、「人にやらせている限り一定確率で起きる」種類の作業です。だから対策も、人の努力ではなく作業そのものを減らす方向で考えます。

手を付ける順番

いきなりツールを入れると、たいてい失敗します。次の順番で進めてください。

ステップ1:入力している件数と時間を1週間だけ数える

正確でなくて構いません。「FAX受注が1日何件」「電話受注が1日何件」「だいたい何分かかっているか」。紙にでも書き出してください。

これをやると、思い込みとのズレが必ず出ます。「FAXが大変」と思っていたら実は電話メモのほうが多かった、というのはよくある話です。数えずに対策を打つと、効かないところに手を入れることになります。

ステップ2:件数の多い取引先3社にだけ、フォーマット統一を頼む

お金がかからず効果が大きいのがこれです。全社にお願いするのは無理でも、上位3社なら話が通ることがあります。エクセルの注文書ひな形を作って「これで送っていただけると助かります」と渡すだけです。

相手にとってもミスが減るメリットがあるので、意外と受け入れてもらえます。ここで受注全体の半分近くがカバーできるなら、それだけで残業は目に見えて減ります。

ステップ3:残りをOCRで処理する

ステップ2で片付かない、フォーマットがバラバラな注文書や手書きメモ。ここで初めてAIの出番です。

AI OCRで実際にできること・できないこと

期待値を先に合わせておきます。ここを曖昧にしたまま導入すると「思っていたのと違う」となります。

できること

  • 注文書の写真やPDFから、品番・数量・納期・取引先名を自動で読み取る
  • フォーマットが違っても、項目の意味を判断して拾い上げる
  • 読み取った内容をCSVやスプレッドシートの形で出す(基幹システムへの取り込み用)
  • 手書き文字も、ある程度きれいなものなら読める

昔のOCRは「決まった位置の活字しか読めない」ものでしたが、今の生成AIを使ったOCRは、レイアウトが違っても項目の意味を理解して拾えます。ここが大きく変わった点です。

できないこと

  • 100%の精度は出ません。潰れた手書き文字、かすれたFAX、独自の略号などは読み違えます
  • 「いつもの品番で」といった、文書に書かれていない前提は補完できません
  • 基幹システムへの自動登録までは、システム側の作りによります

ですから、確認画面で目視チェックする工程は残すのが前提です。ゼロから打ち込むのと、AIが埋めた内容を確認して直すのとでは、かかる時間がまったく違います。「入力」を「確認」に変えるのが狙いであって、無人化ではありません。

この点を正直にお伝えしないと導入後に不信感が出ますので、あえて先に書いています。

導入にかかる費用の考え方

AI OCRと聞くと数百万円を想像される方がいますが、それは大企業向けの基幹システム連携込みの話です。

中小企業が受注入力を減らす目的だけなら、ブラウザで開いて注文書の写真をアップロードすれば結果が出る、という形で十分機能します。この規模なら初期費用も月額も、パートさん1人の数時間分の人件費に収まる範囲です。

判断の目安として、ステップ1で数えた「入力にかかっている月あたりの時間 × 時給」を出してみてください。その金額を大きく下回るなら検討する価値があります。上回るなら、まだ導入のタイミングではありません。

まず何から

今日できることは、ステップ1の「数える」だけです。1週間、注文の件数と入力時間をメモしてください。

数字が出た時点で、フォーマット統一だけで済むのか、ツールが必要なのかが自然に見えてきます。順番を守れば、無駄な投資はしなくて済みます。


この記事を書いた人

松浦正樹(GodSpeed合同会社 代表/屋号:AI先生マーケット)

工作機械メーカーの安田工業株式会社に27年6か月勤務し、金型・部品加工と工作機械の現場一筋。中国・ベトナムなど海外拠点での技術支援も担当してきました。現在は岡山を拠点に、中小製造業向けの「ブラウザで開くだけ、教育不要」のAIツールを開発・提供しています。

受注メモのOCR、請求書・納品書の作成、LINEでの経費精算、通話・会議の文字起こしなど、現場でそのまま使える形にしてお渡ししています。岡山から全国対応、近県は訪問も可能です。

初回のご相談は無料です。「うちの注文書だとどこまで読めるのか」を実際の書類で試してみたい、という段階でも構いません。お気軽にお問い合わせください。

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